【危険】新鮮なほど危ない?鶏肉の生食による食中毒 禁止の法律はない?

食の安全
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焼き鳥の老舗「江戸政」が鶏肉の生つくね関連で自主的に閉店したことで「鶏肉の生食」について、物議を醸しています。

閉店に至った理由として、江戸政の店主は「店で安全を確保した上で提供していた生たたきを真似して、他店が鶏肉の生を提供してしまった、生肉を提供するきっかけを与えてしまった」ことに責任を感じたことを挙げられています。

これには生で提供する側の知識・認識の甘さを指摘する意見もありつつ、そもそも鶏肉を生で提供することを禁止していないことにも言及されています。

なぜ鶏肉の生食を禁止しないのでしょうか?

今回は鶏肉の生食に関して、なぜ禁止しないのか・食中毒についてまとめています。

*鶏肉を生食してはいけない理由「カンピロバクター」による食中毒

なぜ生で食べてはいけない?

ではなぜ鶏肉を生で食べてはいけないのでしょうか。

それは「カンピロバクターという食中毒菌が鶏肉に高い確率で付着しているから」です。

つまり、きちんと管理されていない鶏肉を食べると十中八九食中毒を起こし、重症の場合は最悪の結果になりうるということです。

カンピロバクターに感染するとどうなる?

カンピロバクターに感染してしまうと、下痢、嘔吐、発熱、腹痛、筋肉痛、悪寒を引き起こし、稀に合併症としてギラン・バレー症候群(四肢や顔、呼吸器官などに麻痺などが起こる疾患)を引き起こす場合もあります。

食中毒というと、「ノロウイルス」が有名で、罹ったことのある人も多いのが事実ですが、このノロウイルスに次いで2番目に患者数が多いのがこのカンピロバクターになっています。

食中毒の原因で最も多いのは?食中毒の種類とその対策–折兼ラボ

カンピロバクターは少ない菌数でも発症するため、食べたのが少量であっても罹る可能性が高い食中毒です。

鶏肉は「新鮮なほど危険」?

鶏肉の生はたいていの場合、飲食店で食べることが多いでしょう。

その時、「この鳥刺しは新鮮だから大丈夫!」と言われたら心が揺らぎますか?

実は鶏肉に付着しているカンピロバクターは新鮮なうちが一番菌の保有率が高いのです。

なので「新鮮だから」という理由で提供される鶏肉の生食は避けるべきと考えた方が良いです。

では「新鮮ではなくなれば安心」なのでしょうか。

それはそれで、また別の「サルモネラ菌」という食中毒菌が繁殖してくるため危険です。

*鶏肉の生食を禁止しない理由「そもそも生食を想定していないから」

ではここまで危険なことがわかっていて鶏肉の生食を禁止しないのはなぜでしょうか?

それは「現段階では法規制がない」ということです。

牛肉や豚肉の食中毒では大規模な集団感染など過去の事例から法規制が進みましたが、鶏肉には現段階では法規制はないということでした。

しかし、カンピロバクターによる食中毒が多数発生しており、さらに多くの地域から注意喚起が出ていることから、法規制されるのも時間の問題なのではないでしょうか。

*鶏肉を生食する文化 九州で生食できる理由は「独自の厳しいガイドライン」

鶏肉を生食する文化のある九州では鳥刺しがよく食されているようですが、なぜ生で食べられるのでしょうか。

それは厳しいガイドラインがあり、それをきちんと実施された鶏肉が生食できるということです。

ガイドラインは鶏肉を加工するところから店で提供するところまできっちりと定められており、例えば鳥刺しを店で提供する場合のガイドラインは下のような文言で書かれています。

  • 鳥刺しを処理するまな板及び包丁等の器具は,専用のものを用いること。専用の処理台については,設置するのが望ましい。また,これらの器具は,清潔で衛生的な洗浄消毒の容易な不浸透性材質であること。
  • 手指又は器具が汚染されたと考えられる場合,またはその他必要に応じて,その都度洗浄又は洗浄消毒を行うこと。
  • 器具の洗浄消毒は,83以上の温湯により行うこと。
  • 手指は,洗浄消毒剤を用いて洗浄すること。

これは昔からの食文化で生の鶏肉を食べることが多い鹿児島で独自に定められたガイドラインで、これによりようやく店での鳥刺しの提供が叶っているということです。

*他の肉を生で提供できる理由

牛肉

牛肉はもともと内側には菌がなく、表面に外からついた菌が繁殖している場合がほとんどです。

そのため、牛肉のレアステーキは安全ですし、生で食べるユッケは「トリミング」という、表面を削り取る加工(専門知識による)をしているため、安全に食べることができます。

馬肉

馬刺しはレバ刺しが禁止されてから一気に広まりましたが、馬は他の肉と比べてそもそも体温が高く菌が繁殖しにくいということや、食肉になってからも牛肉と同じように表面をトリミングしてから提供しているため、安全に食べることができます。

*カンピロバクターは2次汚染にも注意が必要

カンピロバクターに限らず生肉にまつわる食中毒菌すべてにいえることなのですが、2次汚染には注意が必要です。

2次汚染とは、

「二次汚染」とは、調理中の食品が、まな板や調理器具類、あるいは調理する人の手を経由することで細菌やウイルスに汚染されることです。

引用:オーラヤックス

つまり、生肉を食べなくても生肉を付着させたところに別の生で食べる食材を置いてそれを食べると2次汚染になりうるということです。

  • 例1:鶏肉を切ったまな板をしっかり洗わず、さっと拭き取ったところでキャベツの千切りを切る
  • 例2:焼肉屋で生肉の下に敷いてあったレタスをそのまま食べた

こういった身近な例があります。

特にまな板は家庭で調理する際、面倒だからと生肉を切ったところで生野菜を切っている場合も多く、とても危険です。

*まとめ

  • 鶏肉の生肉にはカンピロバクターという食中毒菌が付着しており、生食は危険。
  • カンピロバクターは新鮮な鶏肉に多く、また新鮮さが落ちるにつれて他の食中毒菌が繁殖するため、どちらにしても生食は危険。
  • 鶏肉の生食を禁止する法規制は今のところ無いが、食中毒が多数起きていることを踏まえると法規制も時間の問題。
  • 九州で鳥刺しが食べられているのは厳しいガイドラインのおかげ。
  • カンピロバクターは2次汚染にも注意が必要。

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